エンジンがかからない6つの原因

故障原因を把握して不安を解消

エンジンが掛からなくなってしまった時、いろいろな不安に襲われる思います。

修理にいくら掛かるのだろう? すぐにクルマが直るのだろうか? クルマを手放さなければ行けないのだうか? 等々です。

これらの不安は「原因が分からない」「修理の費用感・必要時間が掴めない」ことが原因ですね。

エンジンが掛からない原因は「6つ」に分けることができます。10分ほどでエンジンが直る故障もありますので、1)原因6つを理解し、2)4つのステップで車の状況を把握することで、おおまかでも原因を突き止めましょう。

エンジンが掛からない6つの原因と、修理費用・時間

エンジンが掛からない原因は、以下の6つに大別できます。そして、各々の概算での「費用」と「修理時間」は以下の通りです。

原因1. バッテリー(オルタネーター)

  • 修理費用:20,000-70,000円
  • 修理時間:10分

原因2. セルモーター(スターターモーター)

  • 修理費用:50,000-100,000円
  • 修理時間:1-3時間

原因3. 燃料ポンプ

  • 修理費用:30,000-80,000円
  • 修理時間:1-3時間

原因4. スパークプラグ・イグニッションコイル

  • 修理費用:9,000-50,000円
  • 修理時間:30分~4時間

原因5. ガス欠

  • 修理費用:1,000円 -
  • 修理時間:

原因6. その他

  • 修理費用:修理箇所による
  • 修理時間:修理箇所による

「エンジンが掛からない = 修理金額が莫大掛かる」ではないことがお分かり頂けたのではないでしょうか。時間もそれほど要さないですよね。

金額に幅があるのは、車種によって部品代や工賃に幅が出てくるためです。例えばバッテリーの場合、軽自動車と外国車では適合バッテリーのサイズ、種類、金額が大きく異なります。

部品調達にかかる時間

車は、メーカーや車種によって使用している部品が異なります。そして、世の中を走るクルマの種類は膨大。ですので、修理・整備工場に全ての部品を在庫していることは殆どほとんどありません。その為、部品を発注してからメカニックの手元に来るまでに時間がかかります。部品の殆どが発注後2-3日で到着するため、遅くても1週間以内に修理可能と思っていれば間違いないでしょう。

おおよその「原因」「金額」「直るまでの期間」が分かることで、漠然とした不安は取り除けたのではないでしょうか?

原因追求の為の4ステップ

いよいよ原因の追求と特定を行いましょう。

もちろん、プロのメカニック(整備士)ではない限り、完璧に原因を特定する必要はありません。

おおまかにでも壊れている場所を把握できれば、金額や修理に掛かる時間に目処が付きます。それで十分です。

付随現象:エンジンが掛からない際に発生

エンジンが掛からないと言っても、原因によって様々な「付随現象」が出てきます。

例えば、キーを回した時に:

  1. 「セルは回る」けれど、エンジンが掛からない
  2. 「セルが回らず」クルマがウンともスンとも言わない
  3. 「カチカチ」「ガガガガ」「キュンキュン」「カッカッカッ」などの音がする

などです。

これらの現象は、どこに不具合・原因があるのか教えてくれる貴重なヒントとなっています。また、自分で確認した後で、ディーラーや整備・修理工場に電話する際に、自分で確認した「不具合の現象」を伝えることで、プロのメカニックはクルマの状況を理解し、適切なアドバイスをすることができます。

4ステップで原因特定

ここでは簡単に実行できる「4つの確認項目」について解説します。
以下の4つの順番に確認していきましょう。

ステップ1. (ナビやオーディオ、室内灯などの)電気がつくか
ステップ2. セルが回るか
ステップ3. 音の確認
ステップ4. どんな音がするか

以下にチャート図を記したので、参考にして不具合の原因を探ってみて下さい。
あくまでも「参考」なので、実際のとことは、電気が来ていないからと言って、短絡的にバッテリーが悪いとは言えません。

症状で判断! YES/NOチャートで原因究明

Seibii:症状で判断エンジンかかららない原因探求チャート

確認ステップ1. (ナビやオーディオ、室内灯などの)電気が点くか

電気が点くかどうかは、簡単に出来るチェック項目となります。

確認方法の例は以下の通りです。

  • キーレスが効くか
  • キーを回した時に(もしくは、ボタンを押した時に)メーターに反応があるか
  • ナビやオーディオは作動するか

これらがNOの場合、室内に電気が来ておらず、高い確率でバッテリーに不具合があると言えます。バッテリー上がりは、エンジンが掛からない原因の中で一番多い不具合です。

確認ステップ2. セルが回るか

次に確認することは、セルがまわるかどうかです。

【セルが回る】というのは、どういうことかと言うと、キーを回した時に(スタートボタンを押した時に)エンジンがキュルキュルいう状態のことです。

キュルキュルとエンジンが回るのか、それともウンともスンとも言わないのか、これだけの確認です。簡単ですね!

確認ステップ3. 音の確認

【電気を確認】し【セルの状態】を確認した次は【音】の確認をします。

音の確認方法は2つです。

A. キーをIGの位置にした時(ブレーキを踏まずに、ボタンを2回押した時)、なにか音はするか(ナビやオーディオ以外)
B. キーを回した時に(ブレーキを踏んでスタートスイッチを押した時に)エンジンから音がするか

です。

Aはフューエルポンプの音
Bはセルモーターの音を確認しています。

確認ステップ4. どんな音がするか

【音の確認】の際にどんな音がしたでしょうか?

Aの時:キーをIGの位置にした時(ブレーキを踏まずに、ボタンを2回押した時)

  • 「ジー」という音がする → 正常です
  • 何も音がしない → 「燃料ポンプ故障」の可能性があります

この音は燃料ポンプの作動音になります。音が聞こえないと燃料を送るポンプが作動していない可能性があります。ただし、耳を済まして聞かないとわからないような小さい音ですので、ここはプロに見てもらうのが間違いないでしょう。

Bの時:キーを回した時(ブレーキを踏んでスタートスイッチを押した時)

  • カチカチ音がする → バッテリーが弱っている可能性「大」
  • 何も音がしない → セルモーター(スターターモーター)故障の可能性があります。
セルモーター(スターターモーター)は消耗品

セルモーター(スターターモーター)は消耗品です。モーター内の構成部品が消耗していくため、10万キロを目安の交換を考えると良いでしょう。

以上この4つ点検が、エンジンが掛からなくなった時に簡単に確認できる項目になります。

次に6つの原因の各項目を見ていきましょう。

故障原因1. バッテリー(オルタネーター・ダイナモ)とその症状

最も多いエンジンが掛からない原因は「バッテリー上がり」です。

バッテリーの役割はエンジンを掛ける事です(詳しくは「車のバッテリー:寿命の判断と交換方法」)。その為、バッテリーが上がってしまうとエンジンをかけることが出来なくなってしまいます。

2つの状態

エンジンが掛からない時のバッテリーの状態は2つに分けることができます。

  1. バッテリーが空っぽ
  2. 電気は残っているが、エンジンを掛けるほどの電力はない

「長期間車両を放置」「ライトを点けっぱなし」などが原因で、バッテリーは空になってしまいます。「そもそもバッテリーが弱っている」「バッテリーが十分に充電されていない」と電池残量が少しだけ、といった状態になります。

発生する症状

バッテリーが空の場合

バッテリーが空になると、キーレスや、室内灯、ナビやメーターなど、電気を使用する部品が全く動かなくなります。具体的には、キー/スタートスイッチを回/押しても、クルマは何の反応もしません。

電池の残量が少ない場合

エンジンを掛ける際にははバッテリーの電力をたくさん消費します。反対にナビやメーターはそれほど
電力を使用しません。

その為、エンジンは掛からなくてもナビやメーターがつくということが起こります。

その際に聞こえてくる音が『カチカチ』という音です。

エンジンを掛けようとキーを回した時に『カチカチ音』がすると、それはバッテリーの電力が少なくなっているサインです。

他の原因2つ:オルタネーターと暗電流

エンジンが掛からない直接の原因がバッテリーだとしても、バッテリーが弱った原因はバッテリー本体とは別にある場合も多数あります。

他原因1. オルタネーター(発電機)の故障

1つは「オルタネーター(発電機)」の故障です。

クルマには発電器がついています。エンジンの動力を利用して発電し、バッテリーが充電される仕組みになっているのですが、発電されないと、バッテリーが充電されず、どんどんと弱っていきます。
(オルタネーターの詳しい説明は「オルタネーターの基礎知識と交換方法」)

このオルタネーターの故障はよくある事象です。

他原因2. 暗電流

もう1つは、暗電流です。暗電流とは電化製品で言う待機電力の事です。車を使用していないときにも、電力は消費していきます。これは他の家電製品も一緒ですね。

クルマはエンジンが掛かっていると、オルタネーターを通じて発電・充電するのですが、エンジンが止まっている時にはバッテリーの電気を使用「だけ」となる為、暗電流(待機電力)が大きいとバッテリーの電気を早く消費してしまい、エンジンが掛からなくなります。

バッテリー本体が弱っている場合もあれば、充電器や待機電力が多くてバッテリーが弱っている可能性もあります。ここから先はメカニックにお任せしましょう!

故障原因2. セルモーター(スターター)とその症状

エンジンが掛からない原因で次に挙げられるのがセルモーター(スターター)です。

セルモーター(スターター)の役割は、エンジンを掛けることです。従い、壊れるとエンジンが掛からなくなります。

症状

セルモーター(スターター)が壊れると以下のような症状が現れます。

  • キーを回してもウンともスンとも言わない
  • カチカチ音はするがセルが回らない

応急処置:叩く!

セルモーター(スターター)が動かない時の応急処置の方法に叩くというのがあります。
家電製品が動かなくなった時に叩くのと一緒で、エンジンではなくセルモーター(スターター)を叩きます。

これには確りと理由があります。

セルモーター(スターター)の内部でゴミやカスが溜まるとうまく電気が流れなくなります。そこで、叩いてやることによって、ゴミが落ちて、一時的にですがセルモーター(スターター)が動くことがあります。

ただし、手で叩いても効果は少ないので、ハンマーや工具を使用して壊れない程度に叩いて下さい。
驚くなかれ、結構な確率でエンジンが掛かります!

もちろん、応急処置なので、セルモーター(スターター)の交換は必要ですが、叩いてエンジンが掛かるようになったということは、故障の原因がセルモーター(スターター)にあるということが分かるようになります。

故障原因3. 燃料ポンプとその症状

燃料ポンプの故障もよくあるトラブルの1つです。
Seibii出張燃料ポンプ修理交換

燃料ポンプとは、その名の通り、燃料を送るポンプの事です。(詳しい説明は「燃料ポンプの基礎知識と交換方法」)

燃料ポンプは、燃料タンクの中にあるガソリンやディーゼルをエンジンまで送る役割をしています。ですので、壊れるとエンジンに燃料が送れず、エンジンが掛からなくなってしまいます。

症状

症状としては「ガス欠」と同じ症状が発生します。
キーを回すと「キュンキュン」とエンジンは「回ります」が「掛からない」という症状です。

  • セルは回るが、エンジンは掛からない
  • キーをIGオンにした時に、ポンプ作動音がしない

ポンプの作動音はとても小さい音なので「音がしている/していない」の判断は、プロの整備士でないと分からないでしょう。

原因:ポンプ本体と電気系統の不具合

燃料ポンプが動かなくなる原因は、ポンプ本体の故障の他に、ポンプを作動させるための電気系統の不具合が原因の場合があります。

故障原因4. スパークプラグ・イグニッションコイルとその症状

エンジンが掛からない原因としてスパークプラグ・イグニッションコイルのトラブルも良く発生します。
Seibii出張スパークプラグ交換

エンジンを動かす為の3要素

エンジンを動かすための3要素というものがあります。

  1. 良い火花
  2. 良い圧縮
  3. 良い混合気

これのどれか1つでも欠けるとエンジンはきちんと動くことはできません。
そして、良い火花を作り出すのが「スパークプラグ系統」になります。

症状

症状としてはガス欠のような症状になります。
「セルは回るがエンジンが掛からない」という症状です。

イグニッションコイルが原因の可能性

しかし、1つのスパークプラグに不具合があってもエンジンが掛かることが多く、スパークプラグが原因でエンジンが掛からないということは少ないかと思います。

スパークプラグに火花を出すためには高電圧が必要となります。
その高電圧を作り出す部品「イグニッションコイル」が壊れている可能性もあります。
この「イグニッションコイル」に関するトラブルはよくあるエンジントラブルの1つですね。

原因

スパークプラグは使用していると先端が摩耗していきます。そうなると、うまく火花が飛ばなくなり、エンジンが掛からなくなります。

また、イグニッションコイルが壊れてしまうと、スパークプラグに電気が行かなくなるため、スパークプラグに火花が飛ばなくなります。

(イグニッションコイル・スパークプラグの詳細は「イグニッションコイル・スパークプラグの役割と交換作業」)

故障原因5. ガス欠とその症状

当然ですが、燃料が入っていなければエンジンは掛かりません。
しかし、JAFの統計でも7位にはいるほどガス欠は多いトラブルとなっています。
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症状

ガソリンが入っていない場合、セルは回りますが、エンジンは掛からなくなります。また、バッテリーに問題がなければ、ナビやメーター類の電気は点きます。

メーター故障

ガス欠の原因はもちろんガソリンを入れていないのが原因ですが「燃料メーター」が壊れているケースもあります。

メーターではガソリンが満タンになっているのに、実は燃料が入っていない、なんてケースもあります。

「メーターが壊れている」場合もあれば「燃料タンク内の燃料センサーが壊れる」場合もあります。

【番外】JAFの出動理由Top 10

車のトラブルの際にお世話になるJAF。
JAFが公表している主な出動理由TOP10によると、この記事で紹介した「バッテリー」「燃料切れ」「発電機/充電回路(つまりオルタネーター)」「スターターモーター」がランクインしていることがわかります。

2018年JAFの出動理由Top 10

(引用:JAFのHP)

故障原因6. その他

上に挙げた5つのエンジンが掛からなくなる原因以外を【その他】として纏めました。

エンジンには沢山のセンサーやが使用され、数多の部品で構成されています。いろいろな作動が絡み合いエンジンが動き出すのですね。

その為、エンジンが掛からない原因をすべて挙げるのは不可能と言うことで、【その他】として纏めました。


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