こんにちは、Seibiiのメカニックの野仲です。

クルマの消耗部品の中で、バッテリーは身近で分かりやすい部品ですよね。スマホが身近になった為、バッテリーの劣化と言うと、電池の減りが早かったり、充電しなかったりと、その症状が簡単に想像できます。

ガソリンスタンドなどで「バッテリーが弱ってます、交換はどうでしょう?」と勧められると、ついつい不安になってしまいますよね。お客さんの話しを聞いていると、1年に1回のペースでバッテリー交換をしてる方が多くいらっしゃいます。実は、車のバッテリーは、よほどの事がなければ1年に1回も交換する必要はなく、2-5年は使用できます。

一言で言うならば「充電して回復するなら問題なし」です。

スマホのバッテリーと同様に充電しなくなり、電池の消耗が早くなったら寿命なのです。しかし、クルマでは電池の消耗速度はわかりません。そこで、きちんと充電するかが重要となるわけです。もちろん、リチウムイオン電池のスマホと、鉛蓄電池のクルマのバッテリーは異なりますが、クルマのバッテリーを1年に1回交換するということは、充電すれば回復するスマホのバッテリーを充電せずに、バッテリーを交換する事と一緒なのです。

もったいないと思いませんか?

バッテリーの知識を正しく持って、無駄なバッテリー交換を減らしましょう!

バッテリーの寿命は2-5年

車のバッテリーの寿命は、一般に「2-5年」です。

当然ながら、クルマの使用環境によってバッテリーの寿命には大きな差が出ます。音楽にゲームに動画にと常にスマホを使用している場合と、LINEしか使わない場合でバッテリーの消費スピードが異なるのことを想像すると分かり易いでしょう。

「充電」したら回復するか否かがポイント

バッテリーの寿命を考える上で重要なことは、充電したら回復するかです。

よくガソリンスタンドなどでバッテリーの点検をしてもらった時に、「バッテリーの電圧が弱っているので交換は如何でしょうか?」と勧められることがありますが、バッテリーの電圧が弱っているからといって必ずしも交換必須ではありません。

充電を行った時に十分に回復するバッテリーならば、電圧が弱くなっていたとしてもまだ、寿命は迎えていないと判断できます。
それでは、どのような状態になるとバッテリーは寿命となるのでしょう?

サルフェーション

自動車のバッテリーは「鉛蓄電池」を使用しています。このバッテリーは「鉛」と「硫酸」で化学反応をお越し、電気を作り出します。

この電気を取り出す化学反応と充電を繰り返し行うと、バッテリーの内部に「白い結晶」ができます。この現象をサルフェーションというのですが、この結晶がバッテリー内部に貯まると、バッテリーの化学反応を阻害し、バッテリーの機能が低下します。

この結晶は、電気を通さない絶縁物質で、バッテリー内部にある鉛の板の表面に付着します。そうすると、鉛と硫酸の化学反応がこの結晶によって邪魔され、電気がうまく取り出せなくなるのです。充電も同様で、結晶が鉛の板に付着し邪魔をするため、充電しようとしてもうまく充電が行えなくなります。

その為、このサルフェーションが進行したらバッテリーの寿命と判断できるでしょう。
しかし、サルフェーションはバッテリーの内部で起きる現象の為、外からは判断できません。
それでは、どうやってバッテリーが寿命かどうかの判断を行えば良いのでしょうか?

プロが行うバッテリー寿命の判断の仕方

バッテリー寿命の判断は「充電したら回復するか」、つまり「サルフェーションが進行しているか」になるのですが、外部からでは判断できません。プロのメカニックであっても、正確な状態を判断することは難しいのです。

整備士のバッテリー寿命を見分け方

プロのメカニックは「電圧」「CCA」「比重」の3項目と、「バッテリー使用年数」「クルマの使用頻度」
「1回あたりの走行距離 or 時間」「バッテリー上がりを起こしたことがあるか」の4つの使用状況を判断して、バッテリーに寿命が来ているか否かを判断します。

つまり「1つの事象」からバッテリーの状態を判断するのではなく、「複数の項目から総合的」に判断します。

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バッテリーの寿命を判断する3項目(電圧、CCA、比重)

バッテリーの状態を判断するために、以下3つの項目を点検します。

  1. 電圧
  2. CCA
  3. 比重

1.電圧の確認

普通乗用車のバッテリーは12Vのバッテリーを使用します。ですのでバッテリーの電圧が12Vあれば問題ありません。ただし、バッテリー電圧が12Vあったとしても、いざ電気を使おうと負荷を掛けた時に急激に電圧が急降下する場合があります。これは、弱ったバッテリーでも充電状態が続いた場合には表面上の電圧が保たれてしまうためです。安物のテスターだと負荷を掛けずに電圧を測定するため、この表面上電圧が保たれた状態の弱ったバッテリーを見抜く事はできません。

そこで、近頃ではCCAという欧米を中心に採用されているバッテリーの点検方法を行います。

2.CCAの確認

CCAとはコールド・クランキング・アンペアの略で、バッテリーの「電圧」ではなく「電流値」でバッテリーの性能を計測します。電流値で測定を行うのは実際に即した方法となるので、今のバッテリーの状態を正確に表すことは出来ますが、どの程度までバッテリーが劣化しているかまでは判断できません。あくまでも、そのバッテリーが今現在エンジンを掛ける力がどれほどあるかを計測するものとなります。

3.比重

バッテリーの中にはバッテリー液と言われる液体が入っています。このバッテリー液の比重を計ることでバッテリーの状態を判断することが出来ます。
比重を計るためには比重計という工具が必要になります。1,000円以下の物から5,000円を超えるものがありますが、比重を計るだけなので安価なもので十分です。

バッテリーが十分に充電されている状態だと、このバッテリー液の比重は【1.280】になります。

しかし、バッテリーが十分に充電されていない場合はこの比重が少ない値を示します。

以下は主な目安の数字になります。

  • 【正常】 280 - 1.250
  • 【注意】 240 - 1.210
  • 【危険】 210以下
    ※気温20度の時

クルマを長距離乗ったあとや、充電器を使用するなど、バッテリーが十分に充電された状態で比重の点検を行います。

充電しているはずなのに比重が基準より低いならば、バッテリーは寿命に近づいていると判断できます。ただし、バッテリー液が基準値まで入っているかも確かめなければいけません。

バッテリーの寿命を判断する4つの使用状況

上記で説明した「電圧」「CCA」「比重」は気温が低くなったときや長距離を走った直後などの使用環境の違いで値が大きく変化します。従い、バッテリーの寿命を判断する為には不十分と言えます。

バッテリーの寿命を的確に判断する為に、4つの使用環境を考慮に入れて判断します。

  1. バッテリーの使用年数
  2. クルマの使用頻度
  3. 1回あたりの走行距離 or 時間
  4. バッテリー上がりを起こしたことがあるか

状況確認1.バッテリーの使用年数

バッテリーの使用年数は重要な判断材料です。

電圧や比重が小さくなっていたとしても、使用年数が少なければ、「充電」にて回復する可能性が高いからです。使用年数が少ない場合、サルフェーションを起こしている可能性が少なく、内部で結晶が付着していたとしても少量と考えられます。そういったバッテリーは単に充電不足であり、十分に充電すれば普通に使用できる可能性が高いと考えられます。

状況確認2.クルマの使用頻度

クルマを「毎日使用する」のか「月に1回」しか乗らないのかによっても判断は変わります。
自動車には「発電機(オルタネーター)」が取り付けられており、走行中にバッテリーが充電される仕組みになっています。その為、毎日クルマに乗る人は、十分にバッテリーが充電されている筈と言えます。にも関わらず、電圧や比重が小さくなっているとすると、サルフェーションが進んでいる可能性が高く、バッテリーに寿命が来ている可能性が高いでしょう。

状況確認3.1回あたりの走行距離or時間

車には発電機(オルタネーター)が付いていることは先程説明しました。例え毎日車に乗る人であっても「運転している時間が短い」と十分にバッテリーを充電することは出来ません。

バッテリーは、エンジンを始動する時に最も電力を消費します。その為、頻繁にエンジンを掛け、1回の走行距離が短い、もしくは、短い時間の運転を行うケースは、バッテリーにとって最も過酷な使用環境と言えます。エンジンを掛ける時に消費した電力を充電する間もなく、再びエンジンを掛ける時に多くの電力をバッテリーから消費するからです。

ショートトリップ走行と言われるこの使用方法は、クルマにとって過酷な使用方法の1つで、自動車メーカーが定めるシビアコンディションと言われる厳しい使用環境基準にも入っています。

状況確認4.「バッテリー上がり」を起こしたことはあるか

バッテリー上がりを起こしてしまうとサルフェーション現象が一気に進行してしまいます。

新品のバッテリーでバッテリー上がりを起こした場合、その後に充電を行ったとしても、新品同様まで回復することは出来ません。

また、バッテリー上がりを起こしている期間も重要な判断材料となります。バッテリー上がりを起こして「すぐ」にバッテリーを充電するのと、「しばらく放置」してしまった場合では、バッテリーの回復具合が変わってきます。

ただし、どちらの場合でも「新品同様の状態」まで戻ることはありません。

バッテリー上がりの対処(ジャンピングスタート)

バッテリーが上がってしまたらどうすれば良いのでしょうか。上記の通り、時間を開けずに、なるべく早くバッテリーを回復させることが重要です。

すぐに「JAF」や「自動車保険に付帯」のサービス、あるいは、 「Seibii」のような専門業者を読んで対処しましょう。

復旧作業は難しくありませんが、正しい知識が必要です。バッテリーが上がってしまった場合の具体的な対処法は車のバッテリー上がり - 原因と応急策をご参照ください。

適合バッテリーの見分け方

バッテリーが上がってしまった場合、あるいは過去何度もバッテリーを上げてしまいバッテリーそのものを交換しないといけない場合は、ご自身のお車に適合するバッテリーを入手する必要があります。

同じ「メーカー」「車種」であっても「型式」や「年式」によって適合するバッテリーが異なるため、素人には適切なバッテリーを見分けることが難しいとも言えます。

バッテリー交換をする場合には「ディーラー」「オートバックスなどのカー用品店」「Seibiiなどの専門業者」に問い合わせることが確実です。

どうしてもご自身でバッテリーを入手したい場合には超簡単!自分のクルマの適合バッテリーの見分け方(国産車)をご参照ください。

車のバッテリーの正しい交換方法

最後にバッテリー交換の正しい交換の仕方について解説します。

作業自体は難しくありません。但し、正しい知識を持たずにバッテリー交換をしてしまうと、端子が溶けてしまったり、ショートを起こす危険な作業です。気を付けるポイントがいくつかありますので、詳細は正しいバッテリー交換の方法をご参照ください!

まとめ

バッテリーが寿命かどうかの判断は素人ではなかなか難しいところがあります。それはプロでも同じ事で、大丈夫だと判断した直後にバッテリーが上がってしまったという事は多々あることです。その為、少しでもバッテリーが弱っている兆候を見つけるとバッテリーの交換を勧める訳です。

重要なことは「自分のクルマの乗り方を理解」し「バッテリーにとってどのような影響があるかを理解する」ことでしょう。

バッテリーの交換サイクルが早い方は「クルマの使用頻度」と「1回あたりの走行距離」の2つを意識するだけで、バッテリーの交換サイクルを伸ばすことができるでしょう。

また、この記事を参考に、自分でバッテリーを交換したり充電するのも良いでしょう。自分で行うことで費用を抑えることは勿論ですが、バッテリーに優しい運転を心がけることも出来ると思います。

自分でチャレンジする方は正しいバッテリー交換の方法を参考にしてみて下さい。
また、急なバッテリー上がりも対象方法を知っていれば怖くありません。

とは言え、バッテリーの作業は「怖い」し「心配」という方は、プロのメカニックが出張で作業をしてくれるSeibiiにお気軽にお問い合わせ下さい!