こんにちは、seibiiメカニックの野仲です。

タイヤの摩耗には2種類あります。
早期摩耗と偏摩耗です。

早期摩耗とはタイヤのトレッド面全体が早期に摩耗してしまうこと言います。急発進、急ハンドル、急ブレーキなど、丁寧な運転を心がけることで、この早期摩耗は防ぐことができます。

もう一つの摩耗は偏摩耗です。

偏摩耗とはタイヤの接地面の一部や片一方だけ摩耗したり、タイヤブロックがうろこ状に摩耗することを言います。

偏摩耗の原因は早期摩耗と同じ急な運転に加え、空気圧の過多、過小、ホイールアライメントの狂い、サスペンション廻りに原因が考えられます。

この偏摩耗も丁寧な運転を心がけることによって防ぐこともできますが、その原因の多くが車両側に不具合があります。

今回はそのタイヤの偏摩耗の種類と原因をご紹介します。

偏摩耗を知ることで、車両に異常がないか分かると共に、偏摩耗を防ぐことで無駄なタイヤへの出費が抑えられることでしょう。

今回ご紹介する偏摩耗には以下の10種類があります。
・両肩摩耗
・中央摩耗
・外側摩耗
・内側摩耗
・トーイン摩耗
・トーアウト摩耗
・皿状摩耗
・波状摩耗
・ピット上摩耗
・のこぎり歯状摩耗

それぞれどのような原因で起こるか見ていきます。

両肩摩耗

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両肩摩耗はタイヤの内と外の両側が異常に摩耗してしまうことを言います。

原因は空気圧の不足とタイヤへの過負荷が原因となります。

空気圧の不足は車両ごとに決められている適正空気圧よりも低いこと、タイヤへの過負荷は車両に重い荷物を載せ走行するような状態の事を言います。

なぜ、空気圧の不足とタイヤへの過負荷でタイヤの両肩が摩耗するかというと、タイヤの両肩はタイヤ性能を引き出すために剛性(構造的に強固)を高くしてあります。

そのため、空気圧が過小だったり、車両に重い荷物が載っているなど負荷がかかる状態だと、このタイヤの両肩部分に多く負荷がかかってしまうのです。

極端なことを言うと、空気圧が不足している場合、タイヤの中央部分は地面に接しません。
ですので、タイヤの空気圧が不足している場合や、タイヤに大きな負荷がかかっている時は、タイヤの両肩部分だけ早く摩耗してしまうのです。

一般の乗用車の場合、タイヤの適正空気圧は2.0キロ前後で設定しています。
タイヤの空気圧が適正値の2/3以下、もしくは半分を下回るようだと、この両肩摩耗を起こす可能性があります。

中央摩耗

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両肩摩耗とは逆で、タイヤの中央だけ異常に摩耗をしてしまうことを中央摩耗と言います。

中央摩耗を起こす原因はタイヤの空気圧の過多となります。

先ほど、タイヤの両肩部分は剛性が高いと言いましたが、逆にタイヤのトレッド中央部は柔らかい部分となります。

そこで、空気圧を入れすぎると、タイヤ中央部だけ膨らんでしまい、中央摩耗を起こしてしまいます。

高速道路を走行する場合、適正空気圧より0.2~0.3キロ多く入れますが、この程度では中央摩耗は起こりづらいと言えます。

反対に、常に空気圧を1.0キロや2.0キロ以上多く入れている車両は、この中央摩耗が起こりやすくなります。

外側摩耗

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外側摩耗はタイヤの外側だけが異常に摩耗してしまう現象です。

外側摩耗を起こす場合、自動車のアライメント(タイヤの向き)に問題があると言えます。

原因としてはトーインもしくはポジティブキャンバーになっていると、上記のようにタイヤの外側が異常摩耗を起こしてしまいます。

トーインとポジティブキャンバーとはタイヤのアライメントの事を言います。

トーインとポジティブキャンバー

以下の図は車両を真上とタイヤを正面から見た図となります。
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左の図はタイヤ前方が車体の内側に向いています。いわゆる八の字のようになっています。
この図のようにタイヤが内側に向いていることをトーインと言います。

トーインは車体の直進性を高めるために効果があり、正常な車両でもアライメントはトーインにセッティングされていることが多いです。

しかし、過大なトーインは外側摩耗の原因となってしまいます。

上の右図はタイヤを正面から見た図になります。
地面からの鉛直線に対してタイヤの中心が外側に向いています。
これをポジティブキャンバーと言います。

過大なトーイン、ポジティブキャンバーは、どちらもタイヤの外側に大きな負荷が掛かるため、外側摩耗を起こしてしまいます。

内側摩耗

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内側摩耗はタイヤの内側だけが異常に摩耗してしまう現象です。

内側摩耗を起こしている場合も、車両のアライメントに問題がある可能性が高いと言えます。

原因として考えられるのはトーアウトとネガティブキャンバーです。

トーアウトとネガティブキャンバー

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上の左図がトーアウトとなります。
先ほどのトーインとはタイヤの向きが逆となり、タイヤの前方が車体の外側を向いています。

トーアウトになると車両の直進安定性は失われますが、コーナリング性能が向上する効果があります。

しかし、車両が走行するとトーアウトになる傾向があるため、過大なトーアウトは走行するとより大きな力を受け、内側摩耗を促進してしまいます。。

上の右図はネガティブキャンバーと言います。
こちらも先ほどのポジティブキャンバーとは逆となり、鉛直線に対してタイヤの中心が内側に傾いています。

トーアウト、ネガティブキャンバーどちらもタイヤの内側に大きな負荷が掛かるため、内側摩耗を起こしてしまいます。

トーイン摩耗

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上図のようにタイヤのトレッドが内側に向かっては羽根状に摩耗することをトーイン摩耗と言います。

トーインの状態で走行すると、常にタイヤの外から内に向かう力が掛かってしまうため、ゴムが一方へ流れるように摩耗してしまいます。

そのため、過大なトーイン状態で走行を行っていると、タイヤのトレッド面はこのような羽根状になってしまいます。

トーインは縁石などにタイヤをぶつけたり、足回りをぶつけた時に、ナックルアームが曲がってしまったり、タイロッドが曲がってしまい起こってしまいます。

しかし、大きな損傷が無い場合、タイロッドに調整機構が付いているため、この調整を行うことでトーイン摩耗を防ぐことができます。

トーアウト摩耗

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タイヤのトレッドが内側から外側に向かって羽根状に摩耗することをトーアウト摩耗と言います。

トーイン摩耗とは逆になり、タイヤがトーアウトの状態で走行を続けるとこのような偏摩耗を起こしてしまいます。

トーアウトも足回りをぶつけた時などに起こります。しかし、足回りに大きな損傷が無い場合には、こちらもタイロッドを調整してトーアウトを修正することができます。

皿状摩耗

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皿状摩耗はタイヤのトレッドの1か所または数か所が皿状に平らに摩耗してしまうことを言います。

皿状摩耗が起こる原因はホイールアライメントの狂い、ホイールバランスの不良、ホイールベアリングのがた、ボールジョイントのがた、足回りのがた、ブレーキドラムの偏心、及び急発進、急旋回、急制動などが挙げられます。

皿状摩耗が起こると、一定の周期でタイヤから異音であったり、振動が起こります。

この不具合は車両側の不具合の他に、運転の仕方によって引き起こされることもたびたびあります。

例えば、急ブレーキを行って、タイヤがロックしたまま何mか進んだ時など。

このようなことが起こると、タイヤの一部分だけが皿状に摩耗してしまいます。

波状摩耗

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波状摩耗はタイヤのトレッド面が不均一に波状に摩耗してしまう事を言います。

ホイールバランスの不良、ホイールベアリングのがた、ホイールアライメントの狂いが原因で波状摩耗が起こります。

波状摩耗が起こると平坦な道の走行でも悪路を走行しているようなガタガタといった車体の振動を受けるほか、ハンドルの振動などの現象も起こります。

ピット状摩耗

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タイヤのトレッド全周にわたって窪み状に摩耗する場合、ピット状摩耗であるといえます。

ピット状摩耗が起こる原因はホイールバランスの不良が考えれます。

走行中のタイヤは車体の重量と地面からの抵抗を受けて、大きく形を変形させながら転がります。

その時に、ホイールバランスが大きく狂っていると、同じ部分に負荷が掛かるため、このような偏摩耗を起こしてしまいます。

ホイールバランスはグラム単位の重りを付けてバランス取りを行いますが、5gや10gではこのようなピット状摩耗は起こりづらいと言えます。

しかし、大きく歪んでしまっているようなホイールで走行を行うと、このようなピット状摩耗が起こってしまいます。

のこぎり歯状摩耗

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トレッドパターンがブロック状のタイヤは、こののこぎり歯状摩耗を起こすことが多くなります。ヒール&トゥー摩耗とも言います。

主な原因はタイヤをローテンションしないで使用し続けることや、タイヤの空気圧不足、ホイールベアリングのがた、トーイン不良、ホイールバランス不良、左右フロントホイールの切れ角不良などが挙げられます。

ブロック状のトレッドパターンはスタッドレスタイヤに多く、スタッドレスタイヤで雪道以外を走行すると、この現象が現れてくことがあります。

また、近年のスタッドレスタイヤの多くは回転方向が決められており、タイヤがローテンション出来ないため、のこぎり歯状摩耗が現れやすくなっていると言えます。。

空気圧を適切に保つこと、スタッドレスタイヤの雪道以外の使用しないなどを行うことで、スタッドレスタイヤののこぎり歯状摩耗を防ぐことができます。